走り続けると言う事は

 31, 2016 23:39
真夏の昼下がり、やっと灼熱の市街地を抜けた。
良い休憩場所が見つけられないで、郊外の山間部を走っていた時の事だ。

「ちぇ、もう2時間も走り続けているぜ」

峠に向かう緩い勾配を、ライダーの憂鬱とは無縁に
バイクは軽快なパルスを奏でている。

照り付ける日差し
焼けつく太陽
揺らぐ陽炎に何だか頭がぼんやりとしてくる。

長い坂を峠近くまで登り詰めたところだった。
いつしか白い雲のような霧のような冷たい空気が俺の周りをとり囲んでいる。

不意にハンドルが軽くなり下を見ると白い雲しか見えない。
路面の感触が無く、まるで空を飛んでいるようだった。

ふと右を見ると今まで見た事もないものが見えた。
髪の毛は金髪でこめかみに向けそり上がり、額は真っ赤で突き出ている。

鼻は鷲のように折れ曲がり、大き過ぎる瞳が真っ黒で目の縁は青い。
その顔は笑っているようにも見え、怒っているようにも見える。

急に首がこっちを向いて真一文字に結んだ唇が開いた。

走り続ける事だけが
生きる事だと
迷わずに答えて


その言葉の一つ一つが活字になりふんわりと浮かんだ。
そしてその活字は重なり合い、一つの炎になった。

炎はフワフワと揺れて俺の前に飛んできたかと思うと、
真っ直ぐに俺めがけ飛び込んできた。

ぼんやり開いていた口の中入ると、
俺の胸が熱く燃えた。

今こうして走っている事は、生きる為だったのか・・・。。。

次第に白い雲のような霧のようなものが晴れて行き、
また軽快なパルスと、路面の抵抗がハンドルに伝わった。

視界が晴れるとそこは丁度峠で、俺はバイクを止め、ヘルメットを脱いだ。
高原の木陰から冷たい空気が頬を伝い心地よい。

今のは何だったのか・・・
解らない。でもまたバイクに乗れる喜びを改めて噛みしめていた。

「さて、行こうか相棒」
トコトコとバイクは峠を降りて行った。

end
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COMMENT 2

Mon
2016.08.01
05:27

お・と・た・ん♪ #mQop/nM.

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天狗さま♪

いや~ちょっと怖かったですねww
一瞬事故ったのかと思いました^^;

僕は霊感ないけど信じてるんで、そういう出来事あったら怖ぇwww

真夏の朝がちょっぴり涼しくなりました♪

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Mon
2016.08.01
23:03

だんご班長 #-

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天狗だったかも^^

お・と・た・ん♪ さん

もちろんフィクションですよ^^
本気で言ってたら少し危ないヤツかも(^^;

そんな事があったら面白いな~てね♪

何しろ真夏のロードはランナーズハイのような
トランス状態になる事は確かです。

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